狼は皆楽園を目指す。
2004年2月29日 エッセイ「Wolf’s Rain」
楽園、そこは命の花が一面に咲き、
恐れも、不安もない世界。
汚れのない、狼だけが暮らす世界。
人は、もはや、元の姿に戻ることすら忘れた狼。
人の姿に慣れ、元の姿に戻ることが出来なくなった哀れな狼。
だけど、心の奥底で、今もかすかに聞こえる誰かの声。
不意に闇雲に駆け出したくなる、ヒリヒリとした感覚。
真上から見つめる満月に、どこかざわめくような想い。
楽園なんてどこにもないのさ。
会う人全てがそう答える。
汚れたものが溢れた世界。
汚れてしまったこの身体。
今いる世界で上手くやっていく。
これま で だってなんとかできてた。
けれども、心の片隅から、今もかすかに響く声。
「楽園を目指せ。」
そんなときにも、すぐに素直に駆け出せなくて、
大きく吼えることすらできず、
ただただ、小さな呻き声がこぼれるのみ。
狼に戻る術を失ってしまったぼくたちは、
狼だった記憶さえも無くしてしまったぼくたちは、
この世を汚すだけの存在なのか。
楽園はそこにある。
路地裏のゴミ収集場の横に咲く小さな花。
楽園の扉はそこにある。
命の記憶を遡った、己の心の奧また奧に。
たとえ決して辿りつけないとしても、
追い求める心が今もある限り、
ぼくは 、ぼくらは、
かつての姿を取り戻すことができるだろうか。
かつての記憶を取り戻すことができるのだろうか。
「楽園を目指せ。」
.
楽園、そこは命の花が一面に咲き、
恐れも、不安もない世界。
汚れのない、狼だけが暮らす世界。
人は、もはや、元の姿に戻ることすら忘れた狼。
人の姿に慣れ、元の姿に戻ることが出来なくなった哀れな狼。
だけど、心の奥底で、今もかすかに聞こえる誰かの声。
不意に闇雲に駆け出したくなる、ヒリヒリとした感覚。
真上から見つめる満月に、どこかざわめくような想い。
楽園なんてどこにもないのさ。
会う人全てがそう答える。
汚れたものが溢れた世界。
汚れてしまったこの身体。
今いる世界で上手くやっていく。
これま で だってなんとかできてた。
けれども、心の片隅から、今もかすかに響く声。
「楽園を目指せ。」
そんなときにも、すぐに素直に駆け出せなくて、
大きく吼えることすらできず、
ただただ、小さな呻き声がこぼれるのみ。
狼に戻る術を失ってしまったぼくたちは、
狼だった記憶さえも無くしてしまったぼくたちは、
この世を汚すだけの存在なのか。
楽園はそこにある。
路地裏のゴミ収集場の横に咲く小さな花。
楽園の扉はそこにある。
命の記憶を遡った、己の心の奧また奧に。
たとえ決して辿りつけないとしても、
追い求める心が今もある限り、
ぼくは 、ぼくらは、
かつての姿を取り戻すことができるだろうか。
かつての記憶を取り戻すことができるのだろうか。
「楽園を目指せ。」
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