代価

2004年9月25日 エッセイ
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 「頑張ったらそれだけ何かが得られる。
  努力したら誰でも公平に報われる。
  代価を払えば平等に幸せを掴める。
  子供の理屈と言われても、
  そんな等価交換を信じたい。
  代価を払っても
  報われない事があるなんて思いたくない。」

 そんな法則がこの世に存在しないことは、
 誰もがみんな知っている。
 それは社会の仕組みの理想かもしれない。
 しかし、
 どれだけ頑張っても上手くいかないもの、
 努力をしても 得 ら れ な いもの、
 代償を支払っても幸せでないもの、
 そんな辛さや悲しみが
 この世にあふれているからこそに、
 人は優しくなれるのだと思う。
 そうした気持ちが源泉となって、
 無限のエネルギーが生み出されるのだ。

 他人の悲しみや不幸を代価として、
 己の満足を手に入れているものは、
 こうしたエネルギーを手にすることは決してできない。
 物理法則に一生縛られて、
 黙っていても、時間とともにすり減って、
 何も生み出さずに朽ち果てていくだけだ。
 
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晶

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