ダメなやつ

2004年9月8日 エッセイ
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 萩本欽一さんの言葉。
 どういう人を集めて、組織を組むのか
 について。

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 「ぼくは割に、
  発想が『ダメ』から入るんです。
  ダメなやつは、
  『こんちくしょう、こんちくしょう』
  ってね、連呼してるの。
  でも、声には出さないんです。
  ダメなやつの声は、
  ぜんぶウソを言うんですよ。
  ぶたれたときにも、心のなかでは、
  『こんちくしょう!』と言ってんだけど、
  実際に出す声は『ごめんね』だったりする。」

 −偉そうな立場じゃないけど、
  ぼくも、
  なんかいつも気が付いたら
  隅っこの方に行っちゃってる後輩とか
  どうにもほっとけない性分で。
  もっと正直に言っちゃうと、
  ほっとけないっていうよりも
  そういう人の方が好きなんです。
  そういう人の方が信用できる。
  満面の笑顔で、中心になって、
  大声でしゃべって、どんどん進めて、
  だけど、隅にいく奴のことなんか、
  気にとめない。
  そういう人は、どうにもダメなんです。
  そいつは、頭じゃなくって、身体が拒否する。
  生理的に苦手なんです。
  そういう所謂できる奴と組んだ方が、
  物事手っ取り早く、上手くいくんだろうけど、
  ぼくはどうしても、隅にいる奴と一緒に組みたい、
  そういう性分なんです。
  だから、欽ちゃんのこの言葉、
  とっても良くわかるし、なんか嬉しい。

 「そういうやつが、何かやってくれたときは、
  気持ちよく泣けるっていうの、ありますよね。
  そいつがやったら、
  3倍ぐらい、うれしいんですよ。」

 −ぼくはそこまで上の立場じゃないけど、
  そういう人が、うまくやって、
  それまでそいつのこと無視してた奴らの中に入って、
  照れくさそうに、笑ってるのとか見ると、
  もうそれだけで、お腹一杯って感じになります。

  それは、やっぱり、
  そもそも何よりもまず、
  このぼく自身が、
  いつも隅っこにいるような、
  ダメなやつであるからなのです。
  そんでもって、
  そいつを隠して、なんとなく、
  うまくやってる奴らの中に
  目立たないように溶け込んでたりする、
  もっとダメなやつであるからなのです。

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晶

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