「夜」

2004年8月9日 エッセイ
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 朝がくるのを
 ひたすら待ったが、
 もう朝なんて、
 どうでもいいんだ。

 今はただ、ただよっていたい。
 この夜のつづくだけ、
 この夜の果てまでも。
                                      
 夜は嫌いじゃない。             
 眠らなくていいのなら、         
 夜はちっとも苦痛じゃない。           

 朝はまぶしい。               
 昼はうっとおしい。              

 夜の深さが、
 夜の平坦さが、
 すっかり、この身に
 なじんでしまった。

 朝はやってこない。
 空が青くても、雲が白くても。
 この身は今でも、
 夜の海の中。
 寄せては返す 夜の波に、
 静かに これからも
 ゆられているだけで。

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晶

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