メインイベント

WWWAタッグ・タイトルマッチ。
浜田・高橋の王者組に、M’sのAKINO・中西組が挑む。
かつての盟友であった浜田文子の、
今や実に堂々としたチャンピオン姿を目の前にして、
AKINOには、思うところが本当に多いはずである。
コーナーポストに座り、ポーカーフェイスを装いながらも、
ときおり、思い詰めたような、また、祈るような表情が、
のぞいたように、ぼくには見えた。
コールを受ける浜田を、真剣な表情で見つめるAKINO。
こちらもまた、かつての盟友、高橋に、なめられてはいけない、
負けてなんていられない、なみなみならない闘志を燃やす、中西百重。
M’s Style の旗揚げ大会のメイン・イベントにおける、
このタイトルマッチの意味は、とてつもなく大きい。
がんばれ、中西、勝ってくれ、AKINO。
今日スタートを切った M’s Style にベルトをもたらして、
大きなはずみをつけて欲しい、だれもがそう願う一戦。
AKINO・中西の2人の肩にかかるプレッシャーは計り知れないはず。
ぼくも、既に涸れ始めている喉から、絞り出すように声援を送り続けた。
ぼくの喉なんてどうなっても構わない。
なんとしても、どうしても、この2人にベルトをとってほしい。
今日、チャンピオンになった姿を見せてほしい。
30分以上の試合の間、ぼくは、呼吸をするより優先的に、
AKINOと中西の名前を叫び続けた。
既にいくつものチャンピオンベルトを保持している、浜田文子と、
超重量級のパワーファイター、高橋奈苗、
若いながらも貫禄すら漂う王者組に対して、
技では決してひけをとらないものの、軽量級の挑戦者組は、
気づけばどんどんと攻め込まれていってしまう。
だけども、攻め込まれても、攻め込まれても、
AKINOとモモ(中西)の闘志は、
さらに大きく、強く燃えていく一方であった。
M’sの旗揚げメインを任せられた2人の責任感が、
フリーになって、自ら明日を切り開いていく決意をした2人の誓いが、
絶体絶命のピンチに、何度も肩を上げ、立ち上がらせる、
奇跡のパワーを与えていた。
ぼくだって、みんなだって、もう、何を叫んでいるのかすら分からなかった。
彼女らと同時に技の痛みを感じて悲鳴を上げ、
まだまだまだまだ、よっしゃ、いくぞーっ!と、拳に思いっきり力を込めて。
何度勝機を逃しても、ピンチに気を失いかけても、
ぼくらの声援に応えて立ち上がり、再び瞳に宿した光とともに、
チャンスを再びたぐりよせていく。
2人と一緒に闘いながら、ぼくの心もまた、完全にふりきれた、
真っ白な世界の中にいた。
絶叫と、悲鳴と、勇気の、崇高な時間と空間。
その時間と空間の中に一緒に存在した、意味と重さを理解し、
本当に感謝するとともに、一生忘れぬメモリアルとして、
今日の事を心に深く刻み込んだ。
とっても、言葉になんてできやしないほどの、
とびっきりの勇気と感動を、ありがとう。

全試合終了後

これだけの試合を終えた直後であるにもかかわらず、
ロビーの売店にて、一人一人のファンにサインを書き、
笑顔で撮影に応じるM’sのメンバーたち。
彼女たちのプロ魂には、本当に頭が下がる。
これからもどんどんファンが増えて、
大会ごとに会場が満員で、ますますいきいきと
輝きはじける、彼女たちの未来を願って止まない。
今日は、はじめの一歩。
だけれど、大きな大きな一歩だった。
これからの女子プロレスは、君たちを中心にまわっていく。
間違いない!まちがいない!!マチガイナイ!!!
がんばれ、負けるな!M’s Style!!!
でっかく輝く未来の光はすぐそこだ。
ぼくも全力で応援しよう。一緒に未来へ突き進もうぜ!
行け!進め!!突っ走れ!!!

.    ぶっちぎりだぜっ!!!
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コメント

晶

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