俺の試合にタオルはいらない。

一度上がったこのリング、
決着ぐらいは自分で決めるぜ。
心配してくれるのはうれしいが、
タオルだけは絶対に投げ込むな。
大丈夫、
ちゃんと次の闘いだって、
視野に入っているから。

手に入れてきたプライドだったら
もう何度だって灰にしてきた
自分がどんなにちっぽけなのかも
痛いくらいにわかっているのさ
今の自分じゃかなわないって、
頭でわかっちゃいるけれどもさ
真っ正面から当たることしか
決してどうにもできなくってさ
椅子を持ち出し振りかざす事も
まだまだやっぱりできなくってさ

力も技もプライドさえも
頼みにならないこの場に至って
今ここににあるものといえば、
信念なんて形もとれない
ただの「念」ともいえるもののみ
真っ赤に燃えるただの「念」のみ

だけど、見下ろすこいつらだけは、
絶対ゆるしておけないんだ。

敵はしたたか、バックも強大。
多勢に無勢。ここが、正念場。
舞台はとっくに整っている。
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（タオルはいらないけど、
　セコンドは何人いてもOK。そして、
　声援だったら何億人分あってもOK。
　でも、ひとりきりでも、闘うしかない。）
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