今日は朝から雪景色。
冬将軍はまだ踏ん張っている。
足下に再び積もり始めた雪の層。

「わかりました、もう、おおさめ下さいませ、将軍様!」

そう心の中で叫ぶぼく。
しかしながら、午前中ずっと雪は降り続いた。

「いくら将軍様が頑張ったところで、
 季節を巻き戻す事は叶いませぬ。
 流れはもう次の季節へと傾いておりまする。」

その声が届いたのかどうかは定かでないが、
正午を境にぱったりと雪はやみ、
あたり一面には、実に清々しい青空が広がった。

「天晴れでございます、将軍様。
 人々の心に残る、まことに良い引き際でござい ました。
 これで世の民もまた、来年の冬を、
 心待ちに過ごすことでございましょうぞ。」

ぼくはそう将軍様に語りかけた。

「かっ、かっ、かっ、かっ、
 そうであろうとも、そうであろうとも。」

将軍様の高笑いが聞こえてくる。

今年も結構大変な目にあわせてもらったけど、
今となると名残惜しい気もするよ。
さらば、将軍様。
これからまた他の土地でビュービューいわしてやって下さい。
じゃ。
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晶

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