空の針穴

2004年2月1日 エッセイ
夜空に散らばる鋭い光の点
冬空の星を見つめていると、
この世の空に小さく空いた
針の穴のように思えた

小さいとき
つかまえた虫を箱に入れて
その箱の上に小さな針穴を
たくさん空けた
真っ暗な箱の中では
その穴から差し込む光が
彼にとっての全てだった

その箱がもっとずーっと大きくて
穴がもっと小さくなったら
この空のように見えるのだろうか

とすれば穴の向こう側は
まばゆい程の光があふれて
目もあけられない世界だろうか
ただ一面の白い世界で
目の在ることなど意味を為さない

それとも箱の中と変わらぬ
同じく星を見つめて思う
ぼくと同じな別の誰かが
ここと同じに暮らす世界か

穴から外を覗いたら
穴から中を覗いたら
一体何が見えるのだろう
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晶

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