年末年始のビッグマッチで、
プロレスを、新日本を守るために闘った若きチャンピオン。
しかしながら、その代償は大きかった。
中邑、眼窩底骨折によって長期休場へ。
選手生命に関わることがないことを祈る。
本人は試合に出続けると主張を続けたそうだ。
試合に臨むに当たって、
死んでもいい、とまで言っていたくらいだから、
失明することくらいは恐れていないのかも知れない。

ぼく自身のことになるが、
過去に眼にケガを負って手術を受けた経験がある。
かろうじてではあるが、今は何とか両目で見えていて、
日常生活に支障はない。
しかしな がら、行動にいくつかの制約はあるし、
引き続き失明の恐れも常にある状態。
実際のところ、本人としてはそんなに大袈裟なことでは
ないのだけれど、目が見えなくなった時のことを思うと、
ゾッとする。失明は本当に怖い。

新日本では AKIRA が眼を負傷していて、
今も失明のリスクと引き替えに、リングに上がっている。
決してないだろうと思っていた復帰戦で、AKIRA が
コーナーてっぺんからのムササビプレスを繰り出したのを見て、
ぼくの目から、涙があふれて止まらなくなったのを思い出す。

強い信念で、肉体のリスクをはね返すレスラー達。

木村健吾さんもとても目が悪かったし、
TAKAみちのくは、ロープが見えないのに、なんの躊躇もなく
トップロープからのスワンダイブをやってのける。
癌という己の中の敵と闘いながら、リングに上がり続ける西村修。
ライガーだって、致命的な爆弾を抱えている。
武藤だって、橋本だって、蝶野だって、みんな満身創痍で闘っている。
ヒーロー達の実際は、かくも過酷な肉体のリスクを背負った姿。

それでも彼らはリングに上がる。
激しい闘いの日々に身を投じる。
ぼくらに勇気と希望を与えるために。

ライガーがいつも言っている。
自分の胸をバン バ ン 叩いてゆびさしながら。
「プロレスラーは、ここ なんだよ!」って。

もう、とっくの昔からわかっているんだよ。
強いってことは、
すごい力や、相手を倒す技術やなんかじゃないってことを。
人の心を揺り動かす、本当の強さを持っているのは
誰がなんていったって、
プロレスラーが一番だっていうことを。

「命を捨てて、俺は生きる。」
キャプテン・ハーロックの主題歌の歌詞が
ぼくの頭に、繰り返しひびいてきた。

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晶

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